
日本では各地で大きな地震が発生しており、お墓を建てる際に「地震で墓石が倒れないか」「どのような耐震施工をしているのか」が気になる方もいるのではないでしょうか。
お墓の地震対策には、耐震用の接着剤を使う方法や、ピン・ボルトなどで石材同士を連結する方法、免震部材を使用する方法など、さまざまな施工方法があります。
しかし、「耐震ボンドを使っているから安心」「ピンが入っているから倒れない」と、ひとつの部材だけでお墓の耐震性を判断することはできません。
実際に、墓石の耐震性については実寸大の墓石を使った振動台実験なども行われており、地震による墓石の動きや、さまざまな耐震補強方法の効果が研究されています。
また、実際に大きな地震が発生した墓地では、墓石そのものが倒れるだけでなく、石材同士のずれや接合部分の破損、基礎部分のずれなど、さまざまな被害が確認されています。
そのため、お墓の地震対策を考えるときは、墓石を固定する方法だけではなく、地盤や基礎、石材同士の接着、目地の仕上げなど、お墓全体の施工を見ることが大切です。
この記事では、実際の地震による墓石の被害事例や、墓石を使った耐震実験などの資料も参考にしながら、
- お墓は地震でどのような被害を受けるのか
- 墓石にはどのような耐震施工があるのか
- 耐震ボンドやピン・アンカーにはどのような違いがあるのか
- お墓の耐震性を考えるうえで大切なポイント
について、石材店の施工現場での視点も交えながらご紹介します。
千代田家石材店で実際に行っている基礎工事や墓石の接着方法についても、施工写真とあわせてご紹介していきます。
目次
お墓は地震でどのような被害を受ける?

お墓の地震被害というと、墓石が大きく傾いたり、竿石が倒れたりする様子をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、大きな地震では、墓石が倒れるだけでなく、石材がずれる、接合部分が外れる、基礎部分にずれが生じるなど、さまざまな被害が起こる可能性があります。
一般的なお墓は、ひとつの大きな石でできているわけではありません。
和型墓石を例にすると、基礎の上に根石や芝台、中台、上台、竿石など、複数の石材を組み合わせて建立します。
そのため、地震による大きな力が加わったときには、それぞれの石材や接合部分が影響を受けることがあります。
墓石がずれる・倒れる
地震によって起こる被害のひとつが、墓石のずれや転倒です。
複数の石材を積み重ねてつくられている墓石では、強い揺れによって石材の位置がずれたり、接合部分から外れたりすることがあります。
こうした地震による墓石の動きについては、実際の墓石に近い大きさのモデルを使った振動実験も行われています。
土木学会の研究では、実大墓石モデルに地震動を与え、墓石がどのように動くのか、耐震補強を行うことで挙動にどのような違いが生じるのかが検討されています。
参考資料
土木学会「実大墓石モデルを用いた振動実験による耐震性の検討」
J-STAGEで研究内容を見る
お墓は重量があるため、「重い石だから簡単には動かない」と思われることもあります。
しかし、地震の揺れ方や墓石の形状、石材同士の接合方法など、さまざまな条件によって墓石の動きは変わります。
基礎や外柵にも被害が生じることがある
お墓の地震対策を考えるうえでは、竿石や上台などの墓石本体だけでなく、お墓を下から支えている部分にも目を向ける必要があります。
大きな地震では、墓石本体が倒れていなくても、基礎とその上に据えられた石材にずれが生じたり、外柵などに影響が出たりすることがあります。
そのため、墓石の上部だけを強く固定すれば、それだけでお墓全体の地震対策が完了するとは限りません。
墓石の下には基礎があり、その上に複数の石材が組み合わされています。どこかひとつだけを見るのではなく、それぞれがどのように施工されているのかを見ることが大切です。
✓ 墓石そのものの転倒やずれ
✓ 石材同士の接合部分のずれ
✓ 基礎とその上の石材のずれ
✓ 外柵など墓所全体への影響
このように、お墓の地震被害は「竿石が倒れるかどうか」だけで考えることはできません。
地盤や基礎から、その上に組み上げる石材、石材同士の接合部分まで、お墓全体をひとつの構造として考えることが重要です。
では、こうした地震による被害に備えるため、お墓にはどのような耐震施工が行われているのでしょうか。
お墓にはどのような耐震施工がある?

お墓の地震対策には、ひとつの決まった方法があるわけではありません。
石材同士を接着剤で接合する方法のほか、ピンやダボ、ボルトなどを使って石材を連結する方法、揺れの影響を抑えることを目的とした免震部材を使用する方法など、さまざまな考え方があります。
ここでは、お墓に用いられている主な耐震施工について、それぞれどのような方法なのかを見ていきましょう。
耐震用接着剤による施工
石材同士の接合面に、墓石の施工に使用される接着剤を塗布して固定する方法です。
竿石だけではなく、その下にある上台や中台、芝台など、それぞれの石材の接合部分に接着剤を使用することで、石材同士を接合します。
ただし、接着剤を使用していれば、それだけで施工状態が同じになるわけではありません。
接着する面の状態や接着剤の塗布方法なども施工に関わるため、「耐震用の接着剤を使用しているか」だけでなく、「どのように施工しているか」を見ることも大切です。
ピン・ダボによる連結
石材に穴を設け、金属製のピンやダボなどを使って上下の石材を連結する方法があります。
石材同士を機械的につなぐことで、地震の際に石材が大きく移動したり、接合部分から外れたりすることを抑えることを目的とした施工方法です。
墓石の耐震補強については、実寸大の墓石模型を使った振動台実験も行われており、ダボを用いた連結工法についても検証されています。
ただし、ピンやダボを使用しているということだけで、お墓全体の耐震性が決まるわけではありません。
ボルトなどによって石材を連結する方法
ピンやダボのほか、複数の石材をボルトなどによって連結する考え方もあります。
実寸大の墓石模型を使用した研究では、「長ボルト工法」について振動台実験が行われ、実験条件の中で耐震性を高める効果が確認されています。
一方で、墓石の形状や使用する部材、施工方法などによって条件は異なるため、特定の金具を使用しているという理由だけで、地震に対する安全性を判断することはできません。
免震部材を使用する方法
石材同士を強く固定する「耐震」とは異なり、地震の揺れによる影響を抑えることを目的として、免震金具や免震ゴムなどを使用する方法もあります。
先ほどの振動台実験では、免震金具、免震ゴム、エアーダンパーを用いた工法についても検証され、そのうち免震金具工法では実験条件の中で効果が確認されています。
このように、お墓の地震対策には、石材同士を接着する方法、金具などで連結する方法、揺れの影響を抑えることを目的とした方法など、異なる考え方があります。
参考資料
土木学会地震工学論文集
「連結・免震による墓石の耐震性向上効果の実験的検証」
J-STAGEで研究内容を見る
どの工法にもそれぞれ異なる考え方があるため、「この部材を使っていれば必ず安心」と単純に判断することはできません。
大切なのは、使用している耐震部材だけを見るのではなく、墓石の形状や接合方法、基礎を含め、お墓全体がどのように施工されているのかを確認することです。
では、ピンやアンカーなどで石材を固定している場合は、それだけで地震への備えとして十分なのでしょうか。
次に、実際の地震被害も踏まえながら考えていきます。
ピンやアンカーを入れれば安心?

お墓の耐震施工について調べていると、「ピンで固定」「アンカーで補強」といった説明を目にすることがあります。
金属製の部材を使って石材同士をつなぐ方法は、お墓の耐震対策として用いられている方法のひとつです。
一方で、ピンやアンカーなどの部材が入っていることだけで、地震による被害を防げるとは限りません。
墓石は複数の石材から構成されており、その下には基礎があります。
さらに、地震の揺れ方や墓石の形状、接合部分の施工状態などによっても、地震を受けたときの状況は変わります。
ピンを使用した墓石にも被害は起こり得る
ピンやダボを使った施工では、上下の石材に穴を設け、金属製の部材によって石材同士を連結します。
石材のずれや接合部分からの離脱を抑えることを目的とした方法ですが、ピンが入っているからといって、どのような地震でも墓石が動かなくなるわけではありません。
実際の地震では、ピンなどの連結部材が使用されていた墓石であっても、石材がずれたり外れたりするケースがあります。
ここで重要なのは、「ピンがあるか、ないか」だけを見るのではなく、石材同士がどのように接合されているのか、接着剤が適切に施工されているのかなど、接合部分全体を見ることです。
一方で、ピンやダボなどによる連結そのものに効果がないという意味ではありません。
墓石を使った振動台実験では、ダボや長ボルトなどを用いた連結方法についても検証されています。
耐震施工を考える際には、それぞれの部材の特徴だけではなく、どのように組み合わせ、施工されているのかまで確認する必要があります。
アンカーなどの固定部材にも耐えられる力には限界がある
お墓では、石材のずれを抑えるためにアンカーなどの金属部材を使用する施工方法もあります。
こうした部材は石材などを固定するために使用されますが、地震の際にはアンカーだけではなく、アンカーを取り付けている部材や石材、その周辺にも力が加わります。
そのため、「アンカーが入っているから安心」と考えるのではなく、どこを、どのような部材で、どのように固定しているのかまで見ることが大切です。
これはピンやアンカーに限った話ではありません。
接着剤を使用する方法や免震部材を使用する方法についても、ひとつの部材だけでお墓全体の耐震性が決まるわけではありません。
耐震施工を見るときのポイント
「ピンが入っている」「アンカーを使っている」といった部材の有無だけではなく、基礎から墓石までどのように施工されているのかを確認することが大切です。
参考資料
土木学会地震工学論文集
「連結・免震による墓石の耐震性向上効果の実験的検証」
J-STAGEで研究内容を見る
ピンやアンカーなどの金属部材は、お墓の耐震対策に用いられている方法のひとつです。
ただし、耐震性を考えるときは、特定の部材が使われているかどうかだけではなく、基礎、石材の組み方、接合部分、施工方法などを含めて、お墓全体を見ることが重要です。
では、石材同士を接着する「耐震ボンド」であれば、それだけで安心といえるのでしょうか。
次に、接着剤を使った耐震施工について詳しく見ていきます。
耐震ボンドを使えば安心?

ピンやアンカーと同じように、お墓の耐震施工でよく使われているのが、石材同士を接着するための耐震用接着剤です。
墓石は複数の石材を組み合わせてつくられているため、それぞれの接合部分を接着剤で固定する方法が用いられています。
では、「耐震ボンドを使っているお墓なら安心」と考えてよいのでしょうか。
接着剤による耐震補強についても、使用しているという事実だけで判断するのではなく、どのように施工されているのか、施工後にどのような変化が生じる可能性があるのかまで考えることが大切です。
接着剤を使った耐震補強も研究されている
墓石の石材同士を接着剤で固定する方法については、耐震補強の方法として研究が行われています。
土木学会論文集に掲載された研究では、墓石に使用される接着剤について、経年劣化によって接着強度がどのように変化するのかが検討されています。
この研究では、変性シリコン接着剤で接着した石材を使用し、0年から30年相当までの経年変化を想定した試験体を作成して、引張試験や繰り返しせん断試験などが行われています。
つまり、接着剤を使った耐震施工を考える際には、施工した直後だけではなく、時間の経過による接着性能の変化についても考える必要があるということです。
参考資料
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
「接着剤を用いた墓石の耐震補強における接着強度の経年劣化に関する基礎的検討」
J-STAGEで研究内容を見る
接着剤は「何を使うか」だけではない
耐震用の接着剤を使用するときは、製品を選ぶことだけでなく、実際の施工方法も重要です。
たとえば、石材同士を接着する面の状態や、接着剤を塗布する位置・量などによっても、接合部分の状態は変わります。
そのため、「耐震ボンド使用」と書かれているかどうかだけでは、実際にどのような施工が行われているのかまでは分かりません。
どの石材とどの石材を接着しているのか、接合面にどのように接着剤を施工しているのかといった部分まで確認することが大切です。
耐震用接着剤を見るときのポイント
「耐震ボンドを使用しているか」だけではなく、どの接合部分に使用しているのか、どのように施工しているのか、さらに経年による変化も含めて考えることが大切です。
これは、接着剤だけに限ったことではありません。
ピンやアンカー、免震部材など、どのような耐震部材を使用する場合でも、ひとつの部材だけでお墓全体の耐震性が決まるわけではありません。
地震に備えたお墓を考えるのであれば、耐震部材だけに注目するのではなく、地盤や基礎、その上に組み上げる石材、接合部分まで含めて考えることが重要です。
次は、こうした耐震部材だけではなく、「お墓全体」で地震への備えを考えるときに、どのような部分を確認したいのかを見ていきます。
地震に備えるなら「お墓全体」で考えることが大切

ここまで、ピンやアンカー、耐震用接着剤など、お墓に使われるさまざまな耐震施工について見てきました。
それぞれ地震への備えとして用いられている方法ですが、特定の部材だけでお墓全体の耐震性が決まるわけではありません。
お墓は、地盤の上に基礎をつくり、その上に複数の石材を組み上げて完成します。
そのため、地震への備えを考えるときも、完成した墓石だけを見るのではなく、地盤から基礎、石材の据え付け、接合部分、目地までを一つの施工として考えることが大切です。
① 地盤を整える
お墓を建てるとき、最初に関わってくるのが墓所の地盤です。
墓石は非常に重量があるため、その重さを支える下地を整えたうえで基礎工事を行います。
一般的には、地面を掘削したあとに砕石を入れ、転圧して締め固めるなど、基礎を施工するための下地をつくります。
完成すると見えなくなる部分ですが、墓石を下から支えるための大切な工程です。
② 基礎をしっかりつくる
地盤を整えたあと、その上に墓石を支えるための基礎を施工します。
基礎は、完成した墓石や外柵などを下から支える部分です。
第一章でも触れたように、大きな地震では墓石本体だけではなく、基礎とその上に据えられた石材にずれが生じることもあります。
そのため、目に見える墓石部分の耐震施工だけでなく、その下にどのような基礎がつくられているのかも確認したいポイントのひとつです。
③ 基礎から墓石まで一つひとつ施工する
基礎が完成したら、その上に根石や芝台、中台、上台、竿石などを順番に据え付けていきます。
墓石は複数の石材を組み合わせてつくられているため、それぞれの石材を据え付ける際の確認も大切です。
石材を据え付けるときには、水平や位置などを確認しながら、一つひとつ組み上げていきます。
耐震部材の種類だけではなく、墓石そのものがどのように据え付けられているのかにも目を向けてみましょう。
④ 石材同士を適切に接着する
墓石を組み上げる際には、上下に重なる石材同士を接合していきます。
耐震用接着剤を使用する場合も、単に「ボンドを使っている」というだけではなく、どの接合部分に使用しているのか、どのように施工しているのかが重要です。
竿石だけを見るのではなく、上台、中台、芝台など、墓石を構成するそれぞれの石材がどのように接合されているのかを確認することがポイントです。
⑤ 目地まで丁寧に仕上げる
石材を据え付けたあとは、石材同士の継ぎ目となる目地も仕上げていきます。
目地は完成したお墓でも確認できる部分ですが、その内側にある石材同士の接合部分とは役割が異なります。
そのため、石材を接着して終わりではなく、接合部分から目地の仕上げまで、それぞれの工程を適切に行うことが大切です。
お墓の耐震施工は一部分だけで考えない
地盤を整える
↓
基礎をつくる
↓
石材を一つひとつ据え付ける
↓
石材同士を接合する
↓
目地を仕上げる
このように、お墓の地震対策は、完成した墓石に耐震部材を取り付けることだけを指すものではありません。
地盤や基礎といった完成後には見えなくなる部分から、石材の据え付け、接合、目地の仕上げまで、それぞれの工程を確認することが、お墓の耐震施工を考えるうえで大切です。
では、千代田家石材店では、こうした考え方を実際のお墓づくりにどのように取り入れているのでしょうか。
次は、基礎工事から墓石の接着、目地の仕上げまで、実際に行っている施工方法をご紹介します。
千代田家石材店が行っている耐震施工

ここまで、お墓の耐震施工は、特定の部材だけではなく、地盤や基礎、石材の据え付け、接合部分などを含めて考えることが大切だとご紹介してきました。
千代田家石材店でも、耐震用の接着剤だけに頼るのではなく、基礎工事から墓石の据え付け、石材同士の接着、目地の仕上げまで、それぞれの工程を確認しながら施工しています。
ここからは、実際にどのような施工を行っているのか、順番にご紹介します。
墓域全体に鉄筋入りのコンクリート基礎
墓石を建てる前に、まず基礎工事を行います。
千代田家石材店では、地面を掘削したあとに砕石を入れて転圧し、その上に鉄筋を配置してコンクリートを打設します。
コンクリートの厚さは約15cmを目安とし、墓石が建つ部分だけではなく、墓域全体に鉄筋入りのコンクリート基礎を施工しています。
完成したお墓を見ると基礎の大部分は見えなくなりますが、その上に墓石や外柵を据え付けていくための大切な工程です。
石材の接合部には耐震用接着剤を使用
基礎が完成したら、その上に石材を順番に据え付けていきます。
千代田家石材店では、石材同士を接合する部分に耐震用の接着剤を使用しています。
和型墓石の場合は、竿石だけに使用するのではなく、根石と芝台、芝台と中台、中台と上台、上台と竿石と、それぞれの接合部分に接着剤を使用して組み上げていきます。
接着剤を使用する主な箇所
根石と芝台
↓
芝台と中台
↓
中台と上台
↓
上台と竿石
耐震用接着剤を使っているということだけではなく、墓石を構成する石材をどのように接合しているのかを考えながら施工しています。
目地には弾性のある接着剤を使用
石材を据え付けたあとは、石材同士の継ぎ目となる目地を仕上げます。
千代田家石材店では、この目地部分にも弾性のある接着剤を使用しています。
石材同士を接合する部分と、外側から見える目地部分では役割が異なるため、それぞれの箇所に合わせて材料を使い分けながら施工しています。
完成すると接合部分の多くは見えなくなりますが、石材の据え付けから目地の仕上げまでを一連の工程として施工しています。
水平・前後左右を確認しながら施工
耐震施工では、使用する材料だけではなく、石材をどのように据え付けるかも大切です。
千代田家石材店では、石材を据え付ける際に水平を確認するとともに、前後左右の位置や寸法を確認しながら施工を進めます。
一つの石材を据え付けたら確認し、その上の石材を据え付けて再び確認するというように、工程ごとに調整しながら墓石を組み上げていきます。
また、施工中の状態は写真でも記録し、完成すると見えなくなる基礎や接合部分についても確認できるようにしています。
千代田家石材店の耐震施工
砕石を入れて転圧する
↓
墓域全体に鉄筋入りコンクリート基礎を施工する
↓
石材を一つひとつ据え付ける
↓
石材同士を耐震用接着剤で接合する
↓
目地を仕上げる
↓
水平・位置・寸法を確認する
地震の揺れ方や地盤の状態などによって被害の状況は異なるため、耐震施工を行ったお墓であっても、地震による被害を完全に防げると断言することはできません。
だからこそ千代田家石材店では、ひとつの耐震部材だけに頼るのではなく、お墓を下から支える基礎から、石材の据え付け、接着、目地の仕上げまでを含めて施工することを大切にしています。
そして、お墓は屋外に長期間建ち続けるものです。施工時の耐震対策だけでなく、建立後もお墓の状態を確認していくことが大切です。
耐震施工をしたお墓も定期的に状態を確認する

お墓の地震対策は、建立するときに耐震施工を行えば、それで終わりというわけではありません。
お墓は屋外に長期間建ち続けるため、雨や風、気温の変化などにさらされます。
また、接着剤などの材料についても、時間の経過による変化を考える必要があります。
実際に、墓石の耐震補強に使用する接着剤については、経年劣化によって接着強度がどのように変化するのかを調べた研究も行われています。
参考資料
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
「接着剤を用いた墓石の耐震補強における接着強度の経年劣化に関する基礎的検討」
J-STAGEで研究内容を見る
そのため、耐震施工をしたお墓についても、お参りの際などにときどき状態を確認しておくとよいでしょう。
特に大きな地震があったあとは、墓石が倒れていなくても、石材の位置や接合部分などに変化が生じている可能性があります。
お墓を確認するときのポイント
✓ 墓石に以前はなかった傾きがないか
✓ 石材同士の位置がずれていないか
✓ 目地に切れや剥がれなどがないか
✓ 外柵などにずれや異常が見られないか
ただし、墓石は非常に重量があります。
傾きや大きなずれなどが見られる場合は、ご自身で墓石を動かしたり、揺らして状態を確認したりせず、石材店などへ相談するようにしましょう。
建立時に耐震施工を行うことに加えて、建立後のお墓の状態にも目を向けることが、長くお墓を守っていくうえで大切です。
お墓の耐震施工についてよくある質問

耐震施工をすれば震度7でも倒れませんか?
耐震施工をしているからといって、「震度7でも絶対に倒れない」と断言することはできません。
同じ震度であっても、実際に墓石へ加わる揺れは一様ではなく、地盤の状態や墓石の形状、施工方法など、さまざまな条件が関係します。
そのため、「震度○まで大丈夫」という数字だけで判断するのではなく、基礎から石材の接合部分まで、どのような耐震施工が行われているのかを確認することが大切です。
耐震ボンドとピンはどちらが地震に強い?
耐震ボンドとピンは、単純にどちらが強いと比較できるものではありません。
接着剤は石材同士を接着する方法、ピンやダボは石材同士を機械的に連結する方法であり、それぞれ耐震対策として異なる考え方があります。
墓石を使った振動実験では、ダボや長ボルトなどによる連結工法についても研究されています。また、接着剤を使った耐震補強についても別の研究が行われています。
そのため、「ボンドだから安心」「ピンが入っているから安心」と部材だけで判断せず、墓石全体がどのように施工されているのかを見ることが重要です。
耐震ボンドは劣化する?
墓石の耐震補強に使用する接着剤については、時間の経過による接着強度の変化を調べた研究があります。
屋外に建つお墓は、雨や風、気温の変化などに長期間さらされます。そのため、接着剤についても施工したときの状態が永久に変わらないと考えるのではなく、経年による変化を考えておく必要があります。
耐震施工をしたお墓であっても、お参りの際や大きな地震のあとなどに、目地や石材のずれなどを確認しておくとよいでしょう。
参考資料
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
「接着剤を用いた墓石の耐震補強における接着強度の経年劣化に関する基礎的検討」
J-STAGEで研究内容を見る
古いお墓にも耐震対策はできる?
すでに建っているお墓についても、墓石の状態や構造によっては、耐震性を考えた補修や施工を検討できる場合があります。
ただし、墓石の形状や石材の状態、現在の接合方法、基礎の状態などはお墓によって異なります。
そのため、既存のお墓に耐震対策を検討する場合は、まず現在のお墓の状態を確認したうえで、どのような施工が可能なのかを石材店へ相談するとよいでしょう。
地震の後はお墓のどこを確認すればいい?
大きな地震のあとは、竿石が倒れているかどうかだけでなく、墓所全体を確認することが大切です。
墓石に傾きがないか、上下の石材がずれていないか、目地に切れや剥がれがないか、外柵などに変化がないかを確認してみましょう。
ただし、墓石は非常に重量があります。傾きや大きなずれがある場合は、ご自身で墓石を押したり揺らしたりして確認せず、石材店などへ相談してください。
地震後に確認したいところ
✓ 墓石の傾き
✓ 石材同士のずれ
✓ 目地の切れや剥がれ
✓ 外柵などのずれや異常
お墓の耐震施工で大切なのは、ひとつの部材だけを見て判断するのではなく、基礎から墓石の据え付け、接合部分、建立後の状態まで含めて考えることです。
まとめ|耐震部材だけでなく、基礎から施工全体を見ることが大切
今回は、お墓の地震被害や耐震施工の種類、千代田家石材店で行っている施工方法についてご紹介しました。
お墓の耐震施工には、耐震用接着剤を使用する方法のほか、ピンやダボ、ボルトなどで石材を連結する方法、免震部材を使用する方法などがあります。
それぞれ地震への備えとして用いられている方法ですが、「耐震ボンドを使っている」「ピンが入っている」といった一つの部材だけで、お墓全体の耐震性を判断することはできません。
お墓は、地盤の上に基礎をつくり、その上に複数の石材を組み上げて完成します。
そのため、地震への備えを考えるときには、目に見える墓石だけではなく、地盤や基礎、石材の据え付け、石材同士の接合部分、目地など、施工全体を見ることが大切です。
お墓の耐震施工で確認したいポイント
✓ 基礎をつくる前の地盤がどのように整えられているか
✓ どのような基礎が施工されているか
✓ 石材がどのように据え付けられているか
✓ 石材同士がどのように接合されているか
✓ 目地までどのように仕上げられているか
千代田家石材店では、砕石を入れて転圧したうえで、墓域全体に鉄筋を配置してコンクリート基礎を施工し、その上に墓石を一つひとつ据え付けています。
石材同士の接合部分には耐震用接着剤を使用し、目地には弾性のある接着剤を使用しています。また、石材を据え付ける際には、水平や前後左右の位置・寸法を確認しながら施工を進めています。
ただし、どのような耐震施工を行っていても、地震による被害を完全に防げると断言することはできません。
だからこそ、特定の耐震部材だけに頼るのではなく、完成すると見えなくなる基礎部分から、墓石の据え付け、接着、仕上げまで、一つひとつの工程を丁寧に施工することを大切にしています。
また、建立後も、お参りの際や大きな地震のあとなどに墓石の傾きや石材のずれ、目地の状態などを確認しておくとよいでしょう。
これからお墓を建てるにあたって耐震施工について詳しく知りたい方や、現在建っているお墓の状態が気になる方は、千代田家石材店までお気軽にご相談ください。
監修者情報

渡辺裕
(わたなべゆたか)
1984年生まれ。千葉県松戸市育ち。
実家が石材店のため、幼い頃からさまざまなご家族様の供養に触れて育つ。
大学卒業後は法人向けソリューション営業に従事し、その後当石材店に勤務。
多くのご家族様のお墓の建立に携わり、2017年に4代目店主として代表取締役に就任。
終活に関する資格を多数所有し、幅広い知識と経験でお客様に寄り添ったサポートを心がけている。
有限会社 千代田家石材店/代表取締役
いのちの積み木/認定 ファシリテーター
一般社団法人 日本石材協会/認定 お墓ディレクター 2級 認定番号 21-200080-00
一般社団法人 終活カウンセラー協会/終活カウンセラー 2級
一般社団法人 終活協議会/終活ガイド 2級
一般社団法人 日本看取り士会/看取り士
一般社団法人 日本尊骨士協会/尊骨士
有限会社 松戸ペット霊園/メモリアルアドバイザー
お問合わせ
【一般社団法人 終活カウンセラー協会認定】
【一般社団法人 尊骨士協会認定】
【いのちの積み木 認定ファシリテーター】
【ペットメモリアルアドバイザー】
【和モダンスタイル 認定優良石材店】
【プペルメモリアル 正規販売特約店】
【みちのく銘石 正規認定取扱店】
【八柱霊園石材同業組合 会員】
有限会社 千代田家石材店
住所:〒270-2253 千葉県松戸市日暮7-450(八柱霊園 中参道)
営業時間:8:00〜17:00(土日祝日営業)
店舗定休日:火曜(祝日・お盆・お彼岸・年末年始を除く)
※各霊園のご案内は随時行っております。
TEL/FAX:047-387-2929/047-389-0088
HP:https://chiyodaya.co.jp/
【パートナーシップ】







